オバマ新政権に揺さぶりかける北朝鮮、就任後数か月は様子見か
このニュースをシェア
【1月19日 AFP】就任早々、数々の難題が待ち受けるバラク・オバマ(Barack Obama)次期米大統領は、北朝鮮の核問題に取り組む余裕はない――。次期米政権の北朝鮮政策をめぐり、アナリストからこのような見方が出ている。
専門家らは、オバマ氏の大統領就任後の数か月間に、北朝鮮がミサイル発射や核実験などを実施して、新政権の対応をうかがうだろうと指摘する。北朝鮮の狙いは、核施設の無能力化と引き換えにエネルギーを提供するとした2007年の6か国協議合意の見直しだ。
ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領政権で国家安全保障会議(National Security Council、NSC)のスティーブン・ハドリー(Stephen Hadley)事務局長は、「6か国協議が(オバマ)新政権が発足直後に直面する問題のひとつになる」と予測。「北朝鮮は再び参加国の分断を試み、合意の見直しに持ち込もうとするだろう」と述べた。
韓国の政府機関、外交安保研究院(Institute of Foreign Affairs and National Security)は、北朝鮮はミサイル発射や核実験の再実施などで、オバマ政権に揺さぶりをかけ、交渉を有利に運ぼうとすると見る。
これを裏付けるかのように北朝鮮は17日、米国との国交が正常化しても、米国の核の脅威がある限り、引き続き核兵器保有を続けると宣言した。
この発言について、韓国・ソウル(Seoul)の北韓(北朝鮮)大学院大学校(University of North Korean Studies)の梁茂進(ヤン・ムジン、Yang Moo-Jin)教授は、北朝鮮が「われわれは核兵器を持っている。イランや他の問題よりも、まず、われわれを相手にしろ」とオバマ氏に向けて発したメッセージだと指摘する。
北朝鮮は一方で、融和的な態度も見せている。新年恒例の国営メディアの共同社説で、北朝鮮は米国非難を控えた。さらに、20日に行われるオバマ氏の大統領就任式に、北高官の使節派遣を打診したとも報じられた。
アナリストらによると、北朝鮮はしばらくこうした友好的なメッセージを繰り返し発し、米国が敵対的または非協力的な態度に出た場合、あるいは北朝鮮側が無視や軽視をされたと感じた場合、ミサイル実験や核実験などの強攻策に出る可能性が高いという。
ただ、こうした戦略には効果がないとの見方が強い。
韓国統一研究院(Korea Institute for National Unification)の全星勲(チョン・ソンフン、Cheon Seongwhun)氏は、オバマ氏の民主党政権は「ブッシュ政権下で合意したものより、より厳しい(北の)核検証方法を要求する可能性が高い」と指摘。「外交交渉のみでは非核化を押し進められないと判断し次第、ただちにワシントンは北に圧力をかける別のアプローチへと舵を切るだろう」と述べている。(c)AFP/Simon Martin
専門家らは、オバマ氏の大統領就任後の数か月間に、北朝鮮がミサイル発射や核実験などを実施して、新政権の対応をうかがうだろうと指摘する。北朝鮮の狙いは、核施設の無能力化と引き換えにエネルギーを提供するとした2007年の6か国協議合意の見直しだ。
ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領政権で国家安全保障会議(National Security Council、NSC)のスティーブン・ハドリー(Stephen Hadley)事務局長は、「6か国協議が(オバマ)新政権が発足直後に直面する問題のひとつになる」と予測。「北朝鮮は再び参加国の分断を試み、合意の見直しに持ち込もうとするだろう」と述べた。
韓国の政府機関、外交安保研究院(Institute of Foreign Affairs and National Security)は、北朝鮮はミサイル発射や核実験の再実施などで、オバマ政権に揺さぶりをかけ、交渉を有利に運ぼうとすると見る。
これを裏付けるかのように北朝鮮は17日、米国との国交が正常化しても、米国の核の脅威がある限り、引き続き核兵器保有を続けると宣言した。
この発言について、韓国・ソウル(Seoul)の北韓(北朝鮮)大学院大学校(University of North Korean Studies)の梁茂進(ヤン・ムジン、Yang Moo-Jin)教授は、北朝鮮が「われわれは核兵器を持っている。イランや他の問題よりも、まず、われわれを相手にしろ」とオバマ氏に向けて発したメッセージだと指摘する。
北朝鮮は一方で、融和的な態度も見せている。新年恒例の国営メディアの共同社説で、北朝鮮は米国非難を控えた。さらに、20日に行われるオバマ氏の大統領就任式に、北高官の使節派遣を打診したとも報じられた。
アナリストらによると、北朝鮮はしばらくこうした友好的なメッセージを繰り返し発し、米国が敵対的または非協力的な態度に出た場合、あるいは北朝鮮側が無視や軽視をされたと感じた場合、ミサイル実験や核実験などの強攻策に出る可能性が高いという。
ただ、こうした戦略には効果がないとの見方が強い。
韓国統一研究院(Korea Institute for National Unification)の全星勲(チョン・ソンフン、Cheon Seongwhun)氏は、オバマ氏の民主党政権は「ブッシュ政権下で合意したものより、より厳しい(北の)核検証方法を要求する可能性が高い」と指摘。「外交交渉のみでは非核化を押し進められないと判断し次第、ただちにワシントンは北に圧力をかける別のアプローチへと舵を切るだろう」と述べている。(c)AFP/Simon Martin