【1月14日 AFP】国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は14日未明、中東歴訪の最初の訪問地であるエジプトのカイロ(Cairo)に到着し、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strp)情勢について「一刻を争う状況」と述べ、イスラエル軍によるイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)への激しい攻撃に対し、再び即時停戦を呼びかけた。

 中東歴訪でハマスとイスラエルの停戦の調停を目指す潘事務総長は14日、カイロでエジプトのムハンマド・ホスニ・ムバラク(Muhammad Hosni Mubarak)大統領と会談した。会談後、潘事務総長は記者団に対し「永続的な即時停戦を再度呼びかける」と述べ、「一刻を争う事態であり、エジプトの取り組みは非常に重要だ」と語った。ハマスとイスラエルの衝突については「許されない」との考えを示している。

 潘事務総長はこの後、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のラマラ(Ramallah)、トルコ、シリア、レバノン、クウェートを歴訪する。クウェートでは、19日にアラブ連盟(Arab League)の首脳会議に出席する予定となっている。

 ガザ地区の医師らによると、イスラエルが12月27日に「キャスト・レッド作戦(Operation Cast Lead)」と呼ぶハマスへの軍事作戦を開始して以降、子ども292人を含むパレスチナ人979人が死亡し、4500人以上が負傷した。一方、イスラエル側では、軍兵士10人、民間人3人が戦闘やロケット弾攻撃で死亡した。(c)AFP/Ines Bel Aiba