【1月14日 AFP】フランスの女性閣僚ラシダ・ダチ(Rachida Dati)法相(43)が娘のゾラ(Zohra)ちゃんを出産後、わずか5日で職務に復帰したことから、同国で、母親であることと政治家としてのキャリアを築くこととの両立をめぐり議論が巻き起こっている。

 パリの産婦人科を退院したダチ氏は、大統領府エリゼ宮(Elysee Palace)の閣議に身だしなみを整えて笑顔で登場した。

 女性権利団体らがダチ法相の行動を「悪い見本」と非難する一方、女性政治家らの多くは、ダチ氏と同様に産後は職務に急いで戻るだろうと認めた。政治家であることは100%の献身が求められるのだという。

 閣僚任期中の1992年に妊娠し、妊娠した初の仏閣僚となったセゴレーヌ・ロワイヤル(Segolene Royal)元家庭担当相は、「帝王切開の5日後に職務に復帰するのは早すぎる。これは疑いようがないことだ」と述べる一方、「しかし、この(閣僚という)例外的な職務には、例外的な対応が必要」とも語った。

 ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領は、ダチ氏の退院日に司法改革を発表したが、ロワイヤル氏は、ラシダ・ダチ氏が、発表時に大統領の横に自分がいなければならないと感じたことは理解すると述べた。

 フランスが誇る育児休暇制度は、法律で16週までの有給休暇を認めている。しかし、閣僚や公選で選出された高官らは同法の適用外となっている。

 3児の母のバレリー・ペクレス(Valerie Pecresse)高等教育・研究相は、女性政治家に対する法規定の期間延長を主張し、左右両派から広範な支持を受けた。

 ペクレス氏は、「現状のシステムでは、ラシダ・ダチ氏には選択肢が無かった。わたしもダチ氏と同様の行動をとったと思う」と述べ、市長や議員、閣僚にも一般と同様の育児休暇を認める新法制定を呼びかけた。(c)AFP/Sabine Wibaux