【1月13日 AFP】北朝鮮は、20日に行われるバラク・オバマ(Barack Obama)次期米大統領の就任式に、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の首席代表である金桂冠(キム・ゲグァン、Kim Kye-Gwan)外務次官を派遣することを打診したが、米側は冷ややかな対応をみせた。韓国の中央日報(JoongAng Ilbo)紙などが12日、報じた。

 中央日報は韓国政府筋の話として、「北朝鮮は、ニューヨーク(New York)の国連(UN)代表部を通じ、米大統領就任式に金外務次官を使節として派遣できると(米側)に伝えた」としている。このメッセージは、米国の非営利団体コリア・ソサエティー(Korea Society)を通じて、オバマ氏の政権移行チームに伝えられたという。

 また、同紙はこの政府関係者の話として、北朝鮮は、オバマ政権下で、米国の北朝鮮に対するこれまでの敵対姿勢が変化するのかどうかを見極めようとしている可能性があると指摘していると報じている。北朝鮮は、今年の政策方針を提示する主要機関紙の新年共同社説でも、これまで恒例となっていた米国批判を控えている。

 一方、韓国の聯合(Yonhap)ニュースは、外交筋の話として、北朝鮮の打診は、米側が懐疑的な姿勢を示したため拒否されたとしている。

 韓国の柳明桓(ユ・ミョンファン、Yu Myung-Hwan)外交通商相は、この報道は確認できないとしながら、米大統領就任式には通常、特別な外交使節ではなく、米国に駐在する大使だけが招待されると述べた。(c)AFP