【12月29日 AFP】(一部修正)デザイナーズものの時計をはめたり、高級ブランドのタバコを吸っている写真をインターネット上で公開された中国南京(Nanjing)市の高官が、中国共産党から解任された。当局者が29日、発表した。

 中国国内で一躍有名になったのは、南京市江寧区の住宅局長だった周久耕(Zhou Jiugeng)氏。ぜいたく品を使用しているところを撮影された写真をインターネット上に投稿された。10万元(約130万円)もする時計を身に着けたり、1箱150元(約2000円)するタバコを吸っていたという。

 ほかにも人気のある中国のポータルサイト「天涯(Tianya)」や「猫撲(Mop)」に投稿された写真では、米ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)の高級車キャデラックに乗って通勤するなど、「公務員」として許されると思われている範囲をはるかに超えたぜいたく嗜好(しこう)を持っている様子が伝えられた。

 同氏が当初注目されるようになったのは12月初旬、「コスト割れする価格で資産を売却した不動産開発業者は罰せられるべき」と発言したのが発端。大半の国民が集合住宅は高すぎると感じている中、購入できない人々の怒りを買い、インターネット上で周氏に対する「草の根捜査」が始まっていた。さらに世論の怒りが圧力となり、国営メディアは南京市が周氏の経済状況について調査を始めたと報じていた。

 汚職防止を担当する南京市高官はAFPの取材に対し「周氏が解任された理由は2点。一つは、公に不適切な発言をしたこと。もう一つは政府財源で高級タバコを買ったことだ」と述べた。周氏は写真の腕時計は模造品だと反論しているという。(c)AFP