【12月27日 AFP】インド・ムンバイ(Mumbai)同時襲撃事件後、インドとパキスタンの間に緊張が高まる中、パキスタン軍高官は26日、「作戦可能」な軍部隊人員の休暇を取り消し、インド国境沿いに部隊を再配備したと述べた。

 インド政府は、同時襲撃事件についてパキスタンを拠点とする武装勢力の犯行と非難しているが、パキスタン政府は、インド側が証拠を示していないと主張している。

 両国は、戦争は望まないとしているものの、一方で、挑発的な動きがあった場合は行動を起こすと警告している。

 パキスタン国防省高官は、同国軍部隊の一部を北西部からインド国境沿いへ移動させたことを認めた。

 これに対し、パキスタン国内を拠点とするイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)の傘下組織、Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)の広報担当者は26日、電話取材に対し、パキスタン軍がインドの脅威に対抗するためにインド国境沿いに移動するのであれば、部族地域での攻撃を条件付きで全面的に中止すると語った。だが、攻撃中止の条件となる軍撤退の規模については、明確な数字は出していない。

 また、パキスタン国防省高官によると、インド軍部隊がパキスタン東部ラホール(Lahore)付近の国境沿いに移動していることをパキスタン軍が確認した。パキスタン側は、インド軍も兵士らの休暇を取り消したとみている。(c)AFP/Rana Jawad