【12月24日 AFP】ベルギーのアルベール2世(Albert II)国王は22日、イブ・ルテルム(Yves Leterme)首相が提出した辞表を受理し、内閣総辞職を認めた。後継者については言及していない。同国では前年から今年にかけ18か月にわたって政治空白が続いたが、今回の首相辞任は新たな不安定要素となるとみられている。

 アルベール国王は、政党幹部らと3日間にわたって協議を行っていたが、辞表の受理を固めたことで、ウィルフリート・マルテンス(Wilfried Martens)元首相(72)に対し、政治危機打開に向けた後継者選出の調整を要請した。

 ベルギー王室は「アルベール2世はマルテンス元首相と面会し、政治危機の早急な打開を要請。元首相はこれを受け入れた」とする声明を発表した。マルテンス元首相は、ルテルム氏と同様、キリスト教民主フランドル党(CD&V)出身で、1972年から1992年まで首相を務めた。

 マルテンス元首相が調整役に指名された事実は、国王がベルギー国内の北部オランダ語圏と南部フランス語圏との深刻な言語対立の打開に必要な政治的影響力を持つ人物を捜しあぐねていることを示唆しており、解決に向けてなお一層の時間が必要だとみられる。

 ルテルム氏の後継者としては、マルテンス元首相の後継首相を務めたジャン・リュック・デハーネ(Jean-Luc Dehaene)氏が有力視されており、22日の地元各紙の一面には同氏の写真が掲載された。(c)AFP/Lorne Cook