【12月22日 AFP】イラン警察当局は21日、イランの女性人権活動家で2003年にノーベル平和賞を受賞した弁護士シリン・エバディ(Shirin Ebadi)さんが代表を務める非政府組織(NGO)「人権擁護センター(Human Rights Defenders Centre)」事務所を家宅捜索し、閉鎖した。人権活動家らに対する取り締まり強化の一環とみられる。

 イランの保守系通信社、メヘル(Mehr)通信は、閉鎖は裁判所の決定に基づくもので、同センターが内務省の許可なしに活動していたことが理由だと報じている。

 家宅捜索時、エバディさんは事務所内にいた。同センター副代表によると、私服警官が事務所を封鎖、全員を強制退去させた。私服警官らは事務所内を捜査し、センター職員を侮辱する警官もいたという。

 エバディさんは、「礼状なしの事務所閉鎖は不法なものであり、抗議する」と述べて警察を非難するとともに、イランの人権活動家はこうした行為に動じることはないと強調した。

 同センターはエバディ氏を中心に著名な弁護士5人で設立され、イランの人権状況への批判や反政府活動家や学生運動活動家らなどの政治犯の弁護活動を行っている。(c)AFP/Siavosh Ghazi