【12月16日 AFP】スイス・ジュネーブ(Geneva)を拠点とする報道権利擁護団体「プレス・エンブレム・キャンペーン(Press Emblem CampaignPEC)」は15日、今年1年間に取材中に死亡した報道関係者は、32か国で95人に上ったと発表した。

 同団体では毎年同様の報告を行っているが、今年はイラクで治安改善がみられたことから、過去最悪となった07年の110人をやや下回った。イラク国内で死亡した報道関係者は前年の50人から15人に減ったが、国別ではトップで依然、世界の記者たちにとって最も危険な国となった。

 次いで麻薬関連の暴力や襲撃事件が相次いでいるメキシコが2位で、前年の3人を上回る9人の報道関係者が命を落とした。 

 パキスタンはアフガニスタンとの国境地帯である部族地域の治安悪化が目立ち、前年の5人から増え、8人の記者が死亡した。

 PECではまた、勤務中に拉致・誘拐に巻き込まれる報道関係者の増加に懸念を表し、特にアフガニスタン、ソマリア、コンゴ(旧ザイール)、イラク、パレスチナ自治区ガザ(Gaza)地区、メキシコなどの国・地域で多いと指摘した。 (c)AFP