【12月4日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)次期米大統領が国務長官に指名したヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員について、憲法上は国務長官への就任ができないと保守系の行政司法監視団体から指摘があったことを受け、上院民主党は3日、問題解決に向けた準備に入った。

 クリントン氏は以前、国務長官の給与を上げる法案が上院で採決にかけられた際に賛成票を投じており、この点について憲法を条文通りに解釈すると、就任資格がないと判断される可能性があるという。

 行政司法監視団体ジュディシャル・ウオッチ(Judicial Watch)は、オバマ氏がクリントン氏の国務長官起用を取り止めない場合は、憲法上の論争を提起すると警告している。

 これに対し民主党幹部は、こうした問題の解決には幾つも前例があるとして、国務長官への就任危うしとの懸念を一蹴した。

 解決策の1つに上げられているのは、クリントン氏が、国務長官の給与を前回の投票前の水準に戻す法案に投票することだ。この方法は、1909年にウィリアム・タフト(William Taft)大統領(当時)がフィランダー・ノックス(Philander Knox)上院議員を国務長官に指名した際や、ビル・クリントン(Bill Clinton)大統領(当時)がロイド・ベンツェン(Lloyd Bentsen)上院議員を財務長官に指名した時などに利用されている。(c)AFP