米次期国土安保長官にアリゾナ州女性知事、入国管理問題のプロ
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【12月2日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)次期米大統領が1日に国土安全保障長官に指名したジャネット・ナポリターノ(Janet Napolitano)アリゾナ(Arizona)州知事(51)は、ユニークな横顔を持つ女性政治家だ。
■移民、入国管理問題のエキスパート
乳がんを克服し、登山家としての強いイメージで知られる一方、英国のコメディ・グループ「モンティ・パイソン(Monty Python)」マニアでもあるナポリターノ氏だが、アリゾナ州知事として同州の州兵部隊を率いる以外では、安全保障問題に関する経験は限られている。
しかし、メキシコと国境を接し、不法移民流入の最前線とみなされているアリゾナ州の位置ゆえに、入国管理問題に関しては圧倒的な知識を持つとされる。
包括的移民改革法案が米議会で否決され、アリゾナのような国境沿いの州では各州ごとの臨時法の導入で現状をしのいでいる。一方で、地元のボランティアが国境監視活動を組織するなど、各地で登場している「自警主義」も抑えがたくなっている。
移民の権利擁護派は、ヒスパニック系の強い支持も得て当選したオバマ次期大統領の新たな挑戦の下、ナポリターノ知事の経験によって移民問題がようやく前進を始めることに期待を掛ける。
しかし、経済危機のなか失業率は高まり、不法移民に対する共感はかつてないほど失われる可能性があり、また国土安全保障省という連邦機関の看板を掲げるとなれば、ナポリターノ氏に要求される任務はほかにも多忙を極めるだろう。
■政治の都に異色、コメディ・マニアのユーモア・センス
今回の大統領選で、ナポリターノ氏はごく初期からオバマ氏を支持した。ヒマラヤ(Himalayas)をハイキングしアフリカ最高峰キリマンジャロ(Mount Kilimanjaro)を登頂したこともあるナポリターノ氏の冒険心と、人をなごませるユーモア感覚が、米政治の舞台ワシントンにもたらされることになるだろう。
ナポリターノ氏はアリゾナ州知事として女性で2人目。2月に米公営ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)のコメディ・ショーで、女性の政治家として成功した秘訣を尋ねられ、「モンティ・パイソン」マニアを自負する知事は、顔色一つ変えず「わたしのほうが票を取ったから」と一言答えた。
また、砂漠だらけのアリゾナ州では知事用の「邸宅」など提供されないと述べ、「わたしは米国で唯一の『知事用集合住宅』に住んでいる。このマンションは自分で買ったものだから、わたしの資産。2期目か3期目で完済したいわ」と語った。
ニューヨーク州出身のナポリターノ氏が全国的に知られるようになったのは1991年、アフリカ系の連邦最高裁判事クラレンス・トーマス(Clarence Thomas)氏の就任に際して上院公聴会が開かれたセクハラ疑惑で、被害を訴えたアニタ・ヒル(Anita Hill)さんの弁護士を務めたときだった。
2年後、ビル・クリントン(Bill Clinton)前大統領はナポリターノ氏を連邦検事に指名。1998年には女性としてアリゾナ州初の州司法長官に選出された。法律家としての仕事場所として同州に移り住んで15年目のことだった。
2000年には乳ガンの摘出手術を受けたが、そのわずか3週後には術後の痛みを押して、民主党党大会で演説した。2002年、アリゾナ州知事に選出された。(c)AFP
■移民、入国管理問題のエキスパート
乳がんを克服し、登山家としての強いイメージで知られる一方、英国のコメディ・グループ「モンティ・パイソン(Monty Python)」マニアでもあるナポリターノ氏だが、アリゾナ州知事として同州の州兵部隊を率いる以外では、安全保障問題に関する経験は限られている。
しかし、メキシコと国境を接し、不法移民流入の最前線とみなされているアリゾナ州の位置ゆえに、入国管理問題に関しては圧倒的な知識を持つとされる。
包括的移民改革法案が米議会で否決され、アリゾナのような国境沿いの州では各州ごとの臨時法の導入で現状をしのいでいる。一方で、地元のボランティアが国境監視活動を組織するなど、各地で登場している「自警主義」も抑えがたくなっている。
移民の権利擁護派は、ヒスパニック系の強い支持も得て当選したオバマ次期大統領の新たな挑戦の下、ナポリターノ知事の経験によって移民問題がようやく前進を始めることに期待を掛ける。
しかし、経済危機のなか失業率は高まり、不法移民に対する共感はかつてないほど失われる可能性があり、また国土安全保障省という連邦機関の看板を掲げるとなれば、ナポリターノ氏に要求される任務はほかにも多忙を極めるだろう。
■政治の都に異色、コメディ・マニアのユーモア・センス
今回の大統領選で、ナポリターノ氏はごく初期からオバマ氏を支持した。ヒマラヤ(Himalayas)をハイキングしアフリカ最高峰キリマンジャロ(Mount Kilimanjaro)を登頂したこともあるナポリターノ氏の冒険心と、人をなごませるユーモア感覚が、米政治の舞台ワシントンにもたらされることになるだろう。
ナポリターノ氏はアリゾナ州知事として女性で2人目。2月に米公営ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)のコメディ・ショーで、女性の政治家として成功した秘訣を尋ねられ、「モンティ・パイソン」マニアを自負する知事は、顔色一つ変えず「わたしのほうが票を取ったから」と一言答えた。
また、砂漠だらけのアリゾナ州では知事用の「邸宅」など提供されないと述べ、「わたしは米国で唯一の『知事用集合住宅』に住んでいる。このマンションは自分で買ったものだから、わたしの資産。2期目か3期目で完済したいわ」と語った。
ニューヨーク州出身のナポリターノ氏が全国的に知られるようになったのは1991年、アフリカ系の連邦最高裁判事クラレンス・トーマス(Clarence Thomas)氏の就任に際して上院公聴会が開かれたセクハラ疑惑で、被害を訴えたアニタ・ヒル(Anita Hill)さんの弁護士を務めたときだった。
2年後、ビル・クリントン(Bill Clinton)前大統領はナポリターノ氏を連邦検事に指名。1998年には女性としてアリゾナ州初の州司法長官に選出された。法律家としての仕事場所として同州に移り住んで15年目のことだった。
2000年には乳ガンの摘出手術を受けたが、そのわずか3週後には術後の痛みを押して、民主党党大会で演説した。2002年、アリゾナ州知事に選出された。(c)AFP