【12月1日 AFP】元国務次官補のスーザン・ライス(Susan Rice)博士が1日、オバマ次期米政権の国連米国大使に指名される見通しだ。

 ライス博士は、ワシントンD.C.(Washington D.C.)出身。コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)現国務長官との血縁関係はない。英オックスフォード大学で博士号を獲得。歯切れのよい語り口調は、「先輩」にあたるマドレーン・オルブライト(Madeleine Albright)元国務長官と似ているとされている。

 クリントン前政権では国家安全保障会議(National Security CouncilNSC)のメンバーだった。1997年にはクリントン政権で最年少の国務次官補・アフリカ担当に就任。1998年のタンザニアとケニアの大使館での爆破テロ事件にも対応し、アルカイダ関連の問題にたずさわる。

 2000年には栄誉ある国際的フェローシップ制度ローズ奨学生(Rhodes Scholar)に選ばれている。このほか、世界平和への多大な貢献をたたえて米国家安全保障会議からSamuel Nelson Drew Memorial Awardも授与された。

 先の大統領選挙戦では、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員が民主党の有力大統領候補とされていた初期の段階で、クリントン前政権との結びつきが強いにもかかわらず「チーム・オバマ」に参加。オバマ氏の外交担当顧問となった。

 オバマ氏がライス博士を国連大使に指名する背景には、オバマ次期政権が緊迫した米国と国連の関係の改善を最優先とする姿勢がうかがえる。(c)AFP