【12月1日 AFP】タイの首都バンコク(Bangkok)の中心部で30日、政府支持派のグループが大規模な集会を開いた。空港の占拠を続けている反政府団体、「民主市民連合」(People's Alliance for DemocracyPAD)と衝突する懸念が高まっている。

 集会はPADが8月から占拠している首相府の近く、30日未明に手りゅう弾による攻撃で支持者49人が負傷した場所から約5キロ離れた場所で始まった。警察によると、30日の夜までに約1万5000人の政府支持者が集まったが、混乱はなかったという。

 赤シャツ(Red Shirts)として知られるこのグループのリーダー、Jatuporn Prompan氏は、民主主義的な制度を守り、暴力による政権転覆に反対するための集会だと語った。このグループは4日まで集会を続けるとしている。

 反政府団体がバンコクの2か所の空港の占拠を続けていることから、タクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相が政権から追われた2006年のクーデターが再現されるのではないかとの不安が広がっている。しかし、状況が行き詰っていることから、反政府派、政府支持派の双方が今週予定されている2つのイベントを待っているのではないかとの見方も出ている。

 憲法裁判所は2日、連立与党を組んでいる国民の力党(People Power PartyPPP)ら3党が、前年の下院選挙で不正を行ったとされる事案の審理を終える。憲法裁は各党の解散とソムチャイ・ウォンサワット(Somchai Wongsawat)首相ら党幹部の政治活動を禁止する命令を出す可能性がある。さらに、国民から深く敬愛されているプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王は、誕生日の前日にあたる4日にスピーチをすることになっている。(c)AFP