【11月24日 AFP】デンマーク領であるグリーンランド(Greenland)で25日、自治権拡大を問う住民投票が実施される。

 5月にデンマーク政府とグリーンランド自治政府による委員会がまとめた報告書に基づき、自治政府が提出した自治権拡大案について、グリーンランドの有権者約3万9000人が賛否を投じる。デンマークからの完全独立につながる可能性もある。

 グリーンランドは1380年以降、約600年にわたりデンマーク領として統治され、1979年に自治政府が発足した。
  
 今回の住民投票で自治政府案への支持が多数を占めれば、天然資源管理や司法、警察活動など、これまでデンマーク政府に依存していた分野にも自治権が拡大される。外交においても一定の部分が自治政府に託されることになる。また、グリーンランド語が島の公用語として承認される。

 グリーンランド周辺の海底にある天然資源から生じうる利益の配分についても住民投票にかけられる。同島周辺の海域には、巨大な海底油田が存在すると世界の専門家らはみている。自治権拡大を問う投票を提案した委員会の報告は、デンマーク政府からの助成金減額と引き換えに、資源関連の事業による収益は自治政府に帰すべきだと主張している。

 16日に地元ラジオが報じたヌーク大学(University of Nuuk)による世論調査によると、すでに有権者の75%が自治権拡大に賛成を投じることを決めているという。(c)AFP/Slim Allagui