【11月23日 AFP】タイ、バンコク(Bangkok)の首相府を占拠し、活動の拡大を計画している反政府派市民グループに対し、「葬式の予約をすべき」などと物騒な発言を繰り返したあげく、突然エアロビクスを教える部隊への異動を言い渡された強硬派陸軍少将が21日、メディアを通じて上層部への怒りを爆発させた。

 この士官は陸軍アドバイザーとの肩書きを持つカッティヤ・サワディポン(Khatiya Sawadiphol)少将。反政府、反タクシン元首相派の市民団体「民主市民連合(People's Alliance for DemocracyPAD)」に対し、たびたび問題発言を行い大きな批判を招いていた。

 軍広報は、アヌポン・パオチンダ(Anupong Paojinda)陸軍司令官の命により、カッティヤ少将が、健康促進部隊の責任者に転属となったと発表した。

 現在カッティヤ少将は規律違反の容疑で取り調べも受けているが、現地の各紙にこの人事移動が「ばかげている」と怒りをぶちまけた。

 英字紙「バンコク・ポスト(Bangkok)」には、「陸軍司令官はわたしにエアロビクス・ダンサーを率いるよう求めている。わたしが用意したダンスは1つだけで、それは『手りゅう弾の投てきダンス』だ」と話した。

 これに対し、陸軍は少将の主張を真っ向から否定している。

 陸軍関係者はAFPの取材に、「軍の作業部会は軍人とその家族に運動を推奨している。カッティヤ少将の異動は、彼がメディアに語ったような、道端でエアロビクスを指揮することを意味しているのではない」と語った。

 首相府を占拠するPADの指導者は、20日に手りゅう弾によるものと見られる爆発で活動家1人が死亡し29人が負傷したことを受け、23日に議会前で大規模なデモを計画している。

「マティチョン(Matichon)」紙によると、カッティヤ少将は市民グループに対し、活動を強行するなら仏教寺院で葬式の予約を入れるようにと述べたほか、「四方八方から銃弾が発砲されることになるからさっさと出て行け」と物騒な警告をしたと伝えられている。(c)AFP