【11月11日 AFP】在任中に総統府の機密費などを横領していた疑惑で11日、検察当局の事情聴取を受けていた台湾の陳水扁(Chen Shui-bian)前総統が拘束された。

 陳前総統には在任していた8年の間に、総統府の機密費約1480万台湾ドル(約4400万円)を横領した疑いが持たれている。呉淑珍(Wu Shu-chen)夫人はすでに横領罪で起訴され、公判中。

 陳前総統は、運用した経費に対し偽の領収証を使用したことは認めたが、それらの資金は「機密の外交活動」に使用されたもので私的流用は一切ないと否定した。

 ほかのマネーロンダリング(資金洗浄)事件では、陳前総統夫妻のほか、息子や義理の娘など前総統の家族も捜査対象となっている。
 
 検察によると、2007年に陳前総統の義理の娘名義のスイスの銀行口座に2100万米ドル(約21億円)が送金された。この資金は現在、凍結されている。

 前総統は、夫人が過去の選挙資金から2000万米ドル(約20億円)を海外に送金したと認めたが、自分には知らされていなかったと弁明し、資金洗浄については否定している。

 11日、前総統が出頭した台北(Taipei)の検察局周辺は、警官3000人を動員した厳戒な警備のなか、約100人の陳氏の支持者らが集まり同氏の無実を主張した。(c)AFP