【11月10日 AFP】先日公開された金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong Il)総書記の写る集合写真で合成や加工を示唆する矛盾点が見つかり、総書記の健康悪化説が再浮上している件で、韓国政府は9日、この写真における合成や加工を否定した。

 北朝鮮は5日、朝鮮人民軍を視察に訪れた金総書記が兵士らとともに並んだ姿を撮影した集合写真を公開した。これに対し、英タイムズ(Times)紙が金総書記のふくらはぎ部分にあたる光の方向が若干他の兵士と異なり、両隣の将校らと影の形が違っていることなどを報じた。また、英国放送協会(BBC)も明らかなピクセル数の不一致を指摘し、この写真の信ぴょう性に疑問が呈されていた。

 こうした疑惑に関して、韓国の情報機関、国家情報院(National Intelligence ServiceNIS)は9日、公開された金総書記の写真は本物だとの見解を示した。NISの報道官はAFPに対し、詳細には触れず「金総書記の写真が加工された可能性はきわめて少ない」とだけ語った。また、英メディアによる指摘については、コメントを避けた。

 また、韓国の統一省の報道官もAFPに対し、写真が加工されたことを示す証拠は得ていないと語った。(c)AFP