【11月9日 AFP】イスラエルとパレスチナの和平交渉を支援する欧州連合(EU)とロシア、国連(UN)、米国は9日、エジプトの紅海沿岸シャルムエルシェイク(Sharm el-Sheikh)で閣僚級会合を開いた。

 会合には米国のコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)国務長官、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相、フランスのベルナール・クシュネル(Bernard Kouchner)外相、EUのハビエル・ソラナ(Javier Solana)共通外交・安全保障上級代表、国連の潘基文(Ban Ki-moon)事務総長らが出席した。

 AFPが確認した声明案によると会合では交渉の「実質的な」政治的進展があったとし、パレスチナ自治区内におけるユダヤ人入植地建設の凍結を求める。

 7年近く中断していた中東和平交渉は2007年、米国主催の会談で再開した。イスラエルとパレスチナは07年11月、米アナポリス(Annapolis)で、エルサレム(Jerusalem)の帰属やパレスチナ国家の国境、パレスチナ難民など中心的問題の解決に向けて交渉を再開した。

 ジョージ・W・ブッシュ( George W. Bush)米大統領は、任期が切れる来年1月までの和平合意を目標にしてきたが、当面大きな進展が見込めないことは全ての当事者が認めている。イスラエルのツィピ・リブニ(Tzipi Livni)外相は「イスラエルの国益に反する、あるいは実効的な内容が十分でない合意には署名しない。そこまでは到達しておらず、時間がかかる」と強調した。

 07年以来ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)とヨルダン川西岸(West Bank)を拠点とするマフムード・アッバス(Mahmoud Abbas)自治政府議長率いるファタハ(Fatah)の確執も和平交渉をさらに難しくしている。

 ハマスとファタハの会合がカイロ(Cairo)で10日に予定されていたが、ハマスが参加拒否を発表したため中止となった。(c)AFP/Sylvie Lanteaume