【10月17日 AFP】ニューヨーク(New York)のセックスをテーマにした博物館「Museum of Sex」で、15日の米大統領候補の公開討論会を見ていた人びとにとって、討論は激しく、刺激的で、下品なものに見えたことだろう。もしかしたら、邪悪にさえ映ったかもしれない。

 討論会を鑑賞する様子はニューヨークではよく見られる光景だが、セックスをテーマにした博物館で米大統領候補の討論会を見るイベントに参加した人びとは、議論に集中するのが難しかっただろうと思われる。

 というのも、「裸の政治」イベントが行われたホールに設置された数十台のテレビ画面には、公開討論会が始まるほんの数分前まで、ありとあらゆるヌードが映し出されていたからだ。

 会場の片側では、18歳未満閲覧禁止のパンダの行為や、交尾の後にメスのトカゲがオスを食べてしまうところなど、動物の性生活を描いた展覧会が行われていた。

 また、その反対側では、ムチや、実物そっくりの男性器がついた歯科医院の椅子のようなものなど、人間の性的習癖が生み出した奇妙な発明品が展示されていた。

 そういった中、多数のテレビ画面では、大統領選挙の共和党候補ジョン・マケイン(John McCain)上院議員と民主党候補バラク・オバマ(Barack Obama)上院議員が、エネルギー資源や税制について議論していた。

 参加したニューヨーカー約200人は、この組み合わせを楽しんでいたようだ。会場では、マケイン候補へのブーイングと、オバマ候補への歓声が響いていた。ある女性の来場者(22)は、「オバマ候補は、政治にセックスを取り戻したわ」と語った。(c)AFP/Sebastian Smith