【10月12日 AFP】主要7か国(G7)に新興国が加わった20か国(G20)の財務相らによる緊急会合が11日、米国ワシントンD.C.(Washington D.C.)で開かれ、金融危機克服に向けて、先進国と新興国の協調を強化し、経済・財政政策を総動員することで合意した。

 世界経済の約85%を占めるG20各国は緊急会合で「経済・財政政策を総動員」し、嵐のような状態の沈静化に努めることで一致したと発表した。今回のワシントン会合に加え、各国・組織間の会合でも連携の強化が強調された。

 共同声明でG20は「ひとつの国の対応が、他国や(金融)システム全体の安定を犠牲としないよう、行動は緊密に連携したものとする」と宣言した。同声明はまた、主要金融機関の破たん回避を目指して10日のG7で採択された5項目の行動計画を強く支持した。

■ユーロ圏は英に追随するか

 G20に続き、12日にはパリ(Paris)で、ユーロ圏15か国と英国による緊急首脳会議が開かれる。

 フランスのクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)経済・財政・雇用相は、この会議で採択される措置によって「世界を失望させることはないだろう」と述べている。

 同会議で英国は、政府が銀行間の融資を保証するとともに、株式を買い取る形で銀行に公的資金を注入するという自国の緊急対応策を提示するとみられている。詳細は発表されていないが、ユーロ圏15か国もこの英国モデルの緊急対策採用に傾く動きが出ている。

 英2紙、サンデー・タイムズ(Sunday Times)とサンデー・ テレグラフ(Sunday Telegraph)は12日、政府が今回の金融危機で大きな打撃を受けた英2大銀行、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(Royal Bank of ScotlandRBS)とHBOSの優先株を取得する準備を進めていると報じた。

 前例をみないこの措置によって、政府がこれらの銀行の筆頭株主となり、経営陣を送り込む可能性もある。

 他方、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、独政府も大規模な銀行救済策をまもなく発表するだろうと述べ、現在の状況で金融市場の信頼を回復できるのは国家だけだと語った。(c)AFP/Adam Plowright