【10月12日 AFP】(一部更新)米国は11日、北朝鮮と核放棄の検証計画について合意したことを受け、北朝鮮のテロ支援国家指定を解除した。国務省のショーン・マコーマック(Sean McCormack)報道官が発表した。

 マコーマック報道官は「合意内容には米国が検証について求めていた全ての要素が入っている」と述べた。

 この発表に先立ち、米国の6か国協議主席代表を務めるクリストファー・ヒル(Christopher Hill)国務次官補はAFPに対し、同氏が今月1-3日に平壌(Pyongyang)を訪問した際に検証計画について基本的な合意に達したことを明らかにしていた。10日にはコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官が6か国協議に参加する各国と電話で最終的な調整を行った。

 ヒル国務次官補が率いる交渉チームは、検証計画は「プルトニウムを利用した計画およびウラン濃縮と拡散活動の全ての活動」に適用することで北朝鮮側と合意したという。また、非核国を含む6か国協議参加国の専門家が検証活動に参加することを認め、国際原子力機関((International Atomic Energy AgencyIAEA)が検証活動に関与することでも合意した。ある米政府高官によれば、正式な検証手順は「近い将来に」発表されるという。

 この合意では「全ての申告された施設に専門家が立ち入ることができる」とされている。未申告施設については「双方の合意があれば」立ち入りを認めるとしている。

 北朝鮮のテロ支援国家指定解除の発表後、米政府のゴードン・ジョンドロー(Gordon Johndroe)報道官は「北朝鮮は日本との合意事項を速やかに実行すべきだ」と述べ、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領が拉致問題での日本の立場を引き続き強く支持していることを明らかにした。

■大韓航空機爆破事件で指定

 1987年11月29日に北朝鮮の工作員2人がバグダッド(Baghdad)発ソウル(Seoul)行きの大韓航空(Korean Air)機に仕掛けた爆発物がアンダマン海(Andaman Sea)上空で爆発し、乗客乗員115人全員が死亡したことを受け、米国は1988年1月20日に北朝鮮をテロ支援国家に指定した。

 米国務省はこの事件の後、北朝鮮が関与したテロ事件は知られていないとしている。(c)AFP