【10月6日 AFP】大統領選本選までちょうど1か月となった4日、米大統領選挙の共和党副大統領候補、サラ・ペイリン(Sarah Palin)アラスカ(Alaska)州知事が民主党候補バラク・オバマ(Barack Obama)上院議員について「テロリストと仲良くしている」と評して攻撃し、民主、共和両陣営のさや当てが強まっている。

 ペイリン氏は米コロラド(Colorado)州イングルウッド(Englewood)で開かれた選挙集会で、オバマ氏は「自国を標的にしているテロリストと米国はもっと仲良くすべきだと考えている者」だと述べた。続いて、カリフォルニア(California)州カーソン(Carson)での集会でも同じ発言を繰り返した。

 この発言は、米国防総省や連邦議会への爆弾攻撃を行ったことで知られる1960年代の過激派組織「ウェザーメン(Weathermen)」の創設者、ウィリアム・エイアーズ(William Ayers)氏との関係をやゆしたもの。同氏は1995年にオバマ氏が初選挙に出馬した際に支援している。

 オバマ陣営はペイリン氏の発言について「自暴自棄で、誤ったもの」と強く非難。発言は5日のテレビ各局のモーニングショーでも大きな話題となったが、同陣営からは、共和党大統領候補のジョン・マケイン(John McCain)上院議員が経済問題から注意をそらしたいのではないかと皮肉る声もあがった。

 民主党のラーム・エマニュエル(Rahm Emanuel)下院議員は、米テレビ局CNNで「共和党がそうした交友関係に焦点を当てるのなら、こっちも受けて立つ用意があるが、米国にとっては何の利益もない」と語り、ペイリン氏発言のような攻撃にはオバマ陣営は応じないと述べた。

 一方、2000年の大統領選で民主党のアル・ゴア(Al Gore)副大統領(当時)の副大統領候補に指名され、現在はマケイン氏の側近になっている無所属のジョゼフ・リーバーマン(Joseph Lieberman)上院議員は5日、米フォックス・ニュース(Fox News)に対し、オバマ氏とエイアーズ氏を関連付けたことについて「問題はない」と指摘。「立場が逆転し、マケイン氏が爆弾事件を起こした右翼グループを組織した人物の自宅で選挙イベントを行っていたとしたら、オバマ陣営は問題視するに決まっている」と強調した。(c)AFP