【9月27日 AFP】(一部更新、写真追加)共和党のジョン・マケイン(John McCain)、民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)両大統領候補は26日夜、ミシシッピ(Mississippi)州オックスフォード(Oxford)のミシシッピ大学(University of Mississippi)で、初のテレビ直接討論を行った。

 両候補は政治および経済危機を背景にイラク政策や米国の安全保障、経済問題について激しく議論を戦わせた。

 討論は、司会を務める著名ジャーナリスト、ジム・レーラー(Jim Lehrer)氏のあいさつで始まった。レーラー氏が大統領候補の討論会を司会するのは今回が実に11度目。

 米国が深刻な金融危機に直面していることで、両者は経済政策についての議論で口火を切った。

 オバマ氏は今回の危機について、「ブッシュ大統領が8年間にわたって進め、マケイン氏が支持してきた経済政策の失敗に対する最終的な判決」だと述べた。また、マケイン氏が前週、米国経済は根本的に「堅調」との認識を示したことについてオバマ氏は「根本的に異なる立場を取る」と述べ、標準的な住宅ローンの借り手を安心させることが重要であり、中流階層に効果の大きい減税が必要との見方を示した。

 民主党のオバマ氏は、共和党のマケイン氏をジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領が進めた「失敗した」経済・外交政策の支持者だと決めつけ相手をけん制した。

 これに対し、共和党のマケイン氏は、オバマ氏が外交政策の危険性を「理解」しておらず、外国勢力についての見通しが「世間知らずだ」と繰り返し切り返した。

 白熱する討論のなかでも両者は致命的な失言をする愚は犯さなかった。オバマ氏はこの討論で指導者としての資質を示したい考え。一方マケイン氏は、ブッシュ大統領がもたらした負の遺産からの脱却と年齢に対する懸念の払しょくを目指した。

 討論はほぼ外交問題に終始し、なかでもイラク問題には多くの時間が割かれた。オバマ氏がイラク戦争に反対したことを強調したのに対し、マケイン氏は増派を推し進め安定化に一役買ったと述べるなど両者の違いは鮮明だった。

 マケイン氏はまた、グルジア紛争を引き合いに、「ロシアがグルジアに対し深刻な侵略を行ったことをオバマ氏は理解していない。世間知らずが露呈した」と語り、オバマ氏がロシア政府に対し弱腰だとし、同氏の対ロシア政策は誤っていると批判した。

 24日に選挙活動を当面見合わせ金融危機に対処すると宣言したマケイン氏は25日朝になって、討論会への出席を明らかにした。(c)AFP/Stephen Collinson