【9月22日 AFP】南アフリカのターボ・ムベキ（Thabo Mbeki）大統領は21日、与党アフリカ民族会議（African National Congress、ANC）からの辞任要求を受け、辞表を提出したと発表した。2期目の任期を7か月残した辞任となった。

　ムベキ大統領は、国営テレビ・ラジオで放送された国民向けの演説の中で、党の結束のために辞任要求を受け入れたことを明らかにした。ムベキ大統領は、52年間所属したANCの「決定を尊重する」としている。

　この発表に先立ち、ANCの財務担当者のMathews Phosa氏は、国営テレビに対し、ANCは早ければ22日にも大統領代理を指名する予定であると語り、その大統領代理が新内閣を組閣するとの見通しを示した。

　ムベキ大統領は辞任演説の中で、自身の功績に言及するとともに、国民に対して南アフリカ社会にはびこる社会悪との戦いを続けていくように訴えた。また、政治的ライバルであるジェイコブ・ズマ（Jacob Zuma）ANC議長が汚職容疑で起訴されるよう、ムベキ政権が影響力を行使したとの批判については明確に否定した。

　ムベキ大統領は辞任演説に先立ち緊急閣議を開いたが、閣議中、閣僚に対し辞任によって政権内部で混乱を引き起こさないよう求めたとされている。(c)AFP/Fran Blandy