【9月22日 AFP】国連(UN)が定めた「国際平和デー(International Day of Peace)」の21日、アフガニスタンでは、ポリオの予防接種を行う医療関係者が同国で最も情勢が不安定な州に入った。これは、イスラム原理主義組織タリバン(Taliban)が同日から3日間は予防接種を妨害しないと確約したことを受けて実現した。

 タリバン側はまた、アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領の呼びかけに応じ、国際平和デーは攻撃を一切行わないことに合意した。これを受け、アフガニスタン国軍や駐留多国籍軍も攻撃的な作戦の停止に合意している。

 政府関係者によると、国際平和デーに合わせた子どもたちへのポリオの予防接種は、立ち入りが困難になっていた最も危険な地域で行われるという。

 世界保健機関(World Health OrganisationWHO)の現地代表Peter Graaff氏によると、約1万4000人の医療関係者とボランティアが、カンダハル(Kandahar)やヘルマンド(Helmand)、ウルズガン(Uruzgan)など、タリバンの拠点とされる6州に入り、5歳以下の子ども185万人にワクチンを接種する予定だという。

 タリバンは20日、配下の組織などに対し、予防接種を行う医療関係者らの安全な通行を許可するよう命じたことを明らかにしているが、Graaff氏によると、医療関係者らは妨害行為を行わないよう求めるタリバン上層部の命令書のコピーを持参しているという。(c)AFP