【9月19日 AFP】コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官は18日、ロシアが国内では権威主義的な、国外では攻撃的な方向に「暗黒の転換」をしており、統合が進む国際社会において獲得したものを失うリスクを抱えていると警告した。

 ワシントンD.C.(Washington D.C.)で政策研究団体ジャーマン・マーシャル財団(German Marshall Fund)が開いた会合で講演したライス長官は、ロシアの指導者が8月7日にグルジア進攻を命じたのは行き過ぎだと批判。攻撃は「ロシア指導者が採っている方針を具体化し、ロシアと世界にとって重大な局面をもたらした」と述べた。

 また、グルジア政府に対する「米欧共同の外交的防衛」(ライス長官)にロシアは直面していると指摘、米欧は「グルジアを支援するため1つとなって行動する」と述べた。

 その上で長官は、ロシアが1991年のソ連崩壊後の世界的な経済・政治制度に参加する中で得てきた立場を失いかねない危険を冒していると発言。「ロシアが希望している世界貿易機関(World Trade OrganizationWTO)や、経済協力開発機構(Organization for Economic Cooperation and DevelopmentOECD)への加盟は疑わしくなった」と語った。

 米国務省は、ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領とウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相の政策が国内の経済にはっきりとした影響を及ぼせば、両者の支持率は下落すると見ており、長官の発言はこれを裏付けるものとみられる。(c)AFP/Lachlan Carmichael