【9月17日 AFP】イスラエルの与党第1党カディマ(Kadima)は17日、汚職疑惑で辞意を表明したエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相の後継を選ぶ党首選を行う。

 党首選は、ツィピ・リブニ(Tzipi Livni)外相と元軍参謀総長でタカ派のシャウル・モファズ(Shaul Mofaz)運輸相(59)の事実上の一騎打ちとみられる。

 最新の世論調査でリブニ外相におくれをとっているモファズ運輸相は、6月に「イランが核開発計画を継続するなら、イスラエルはイランを攻撃する」と発言し、国防省と地元メディアに叩かれた。

 モファズ氏は、この発言で、対外特務機関モサド(Mossad)の元エージェントでタフさではひけをとらないリブニ外相との戦いの火ぶたを切った。

 同氏は、前年11月に米国が主催した中東和平国際会議など過去2年間の一連のパレスチナ和平交渉を「時間の無駄」と表現する一方で、「パレスチナ和平に尽力したい」と明言する。前週のイディオト・アハロノト(Yediot Aharonot)紙には、「多くの点で、わたしの考えは左寄りだ。左派に劣らず平和を望んでいる」とコメントしている。 

 モファズ氏は1948年11月4日、イランの首都テヘラン(Tehran)に生まれ、1957年にイスラエルに移住した。1967年の第3次中東戦争に参加し、1998年には当時のベンヤミン・ ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相(現・右派リクード(Likud)党首)により参謀総長に任命された。

 2000年には、エフド・バラク(Ehud Barak)新首相の命を受け、20年間にわたりレバノン南部に駐留してきた軍を撤退させた。しかし同年9月に発生したインティファーダ(反イスラエル闘争)が拡大すると、翌年3月、パレスチナ自治政府を「テロリスト団体」と呼んで政府庁舎を攻撃。同年12月にはヨルダン川西岸への侵攻も指揮して、ヤセル・アラファト(Yasser Arafat)議長を議長府に軟禁した。

 政界入りは2002年10月と政治の経験は比較的浅いが、2005年のガザ地区(Gaza Strip)からの撤退を実現したことでシャロン首相に認められた。

 既婚で4人の子どもがいる。(c)AFP