【9月16日 AFP】ウクライナの親欧米派2党が構成する連立政権が16日解消されたと、同国のアルセニー・ヤツェニュク(Arseny Yatsenyuk)最高会議議長が発表した。同国のこれまでの親欧米路線に陰りがさしそうだ。

 ビクトル・ユーシェンコ(Viktor Yushchenko)大統領の支持基盤である「われらのウクライナ(Our Ukraine)」党は今月3日、ユリヤ・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)首相率いる「ティモシェンコ連合(Yulia Tymoshenko Bloc)」と形成する親欧米派の連立政権からの離脱を発表した。

 ユーシェンコ氏の大統領権限縮小を狙った新法案採決の際、ティモシェンコ氏が親ロシア派の野党側についたことが理由とされた。その後、和解が試みられたが事態は打開せず、10日後にヤツェニュク議長の発表となった。

 今後30日間は議会各政党が連立維持を模索することができるが、その後はユーシェンコ大統領が解散、総選挙を宣言できる。「ティモシェンコ連合」と親ロシア派の野党「地域党(Regions Party)」 が連立を組むか、もしくは総選挙となる公算が高いとみられている。

 ヤツェニュク議長は「ここからはウクライナ議会が責任を負う。この事態を『黙示録』だとは思わない。民主主義にとっての挑戦だが、われわれがこの挑戦をともに克服できることを願っている」と述べた。

 これにより、ティモシェンコ首相は辞任しなければならないが、新内閣発足までは首相職にとどまる。総選挙となった場合、投票日は12月21日となると専門家らは予測している。(c)AFP