【9月12日 AFP】米共和党の副大統領候補、サラ・ペイリン(Sarah Palin)アラスカ(Alaska)州知事は11日、アラスカ州フォート・ウェインライト(Fort Wainwright)米軍基地を訪問し、イラク派遣を控えた部隊を激励した。同部隊には、ペイリン氏の長男、トラック(Track Palin)さん(19)が所属している。
 
 米同時多発テロから7周年を迎えたこの日、ペイリン氏はイラクに1年間駐留する兵士4000人を前に「米国とその正義を守るために(イラクに)向かうあなた方を目前にできることを誇りに思う」と述べ、「あなた方がイラクに向かうのは勝利するためだ。イラクでは必ず勝利する」と激励した。

 また、イラクでの任務について「忍耐を要する苦難や犠牲を伴うものだが、正義のために不可欠な戦いだ」と兵士らに覚悟を要請したうえで、「米国の治安は9.11以前には戻れない。あなた方の任務は、米国人の多大な犠牲に狂喜する敵の手から罪のない人びとを守ることだ」とイラク派遣の意義を説いた。

 7年前の同時多発テロ発生当時、ブッシュ政権はイラクのフセイン政権とテロとの関連を指摘しイラクに進攻した。当時は多くが支持したイラク進攻だが、今では不人気な政策となっている。その一方で、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)はイラクに戦闘員を送り込み、反米武装活動を展開している。

 一方、基地内での政治活動は禁止されているため、この日のペイリン氏の演説には大統領選に関するコメントは含まれなかった。また、選挙活動では誇らしげに語ってきたトラックさんのイラク派遣にも、触れていない。

 トラックさんが所属する部隊の報道担当司令官は、記者団に対し、米副大統領候補の息子ということで、イラクで駐留するトラックさんを特別扱いするといった要求はないと断言した。また、ペイリン氏の基地での演説については、かねてから同部隊との関係が深いペイリン州知事に副大統領候補への指名が決定する数か月前に依頼していたことで、大統領選とは無関係だと説明した。(c)AFP