【9月10日 AFP】脱北者を装って韓国に入り、軍将校らと性的関係をもつなどしてスパイ活動を行っていた北朝鮮の女工作員、元正花(ウォン・ジョンファ、Won Jeong-Hwa)被告(35)の初公判が10日、ソウル(Seoul)市南部の水原(Suweon)で開かれ、同被告は故郷である北朝鮮と絶交すると述べ、起訴事実を認めた。

 また、元被告は、「転向書」を裁判所と検察に提出した。判事が自らの意思で書いたことを確認したところ、元被告は小さい声で「はい」とうなずいた。

 罪状認否に対しても、同被告は「はい」と答えた。

 聯合(Yonhap)ニュースによると、「転向書」では、「私の罪は、北朝鮮で生まれたこと」「私には7歳の娘しか残されてない」と記し、「もし機会を与えてもらえるなら、韓国に住みたい。過去の行いをすべてざんげしたい」と訴えた。

 元被告は、故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席と金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記への忠誠のみが重要だったから、厳しい訓練に耐えて忠実に作戦を実行したと述べた。

 髪を1つに束ね、水色の囚人服姿で出廷した元被告は、検察官が罪状を読み上げると涙をこぼした。(c)AFP