【9月10日 AFP】欧州連合(EU)議長国、フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領とウクライナのビクトル・ユーシェンコ(Viktor Yushchenko)大統領は9日、パリ(Paris)の大統領官邸でEU・ウクライナ首脳会議を行った。

 会談後の共同記者会見でサルコジ大統領は、ウクライナとEUが来年にも連携協定を締結すると述べた。

 ロシア・グルジア紛争が影を落とす会議でウクライナは、EUとの関係強化にはこぎつけたが、加盟交渉の可否は先送りとなった。

 ウクライナの加盟をめぐっては、英国、ポーランド、バルト海沿岸国が加盟に前向きな一方、フランスとドイツが慎重姿勢を示すなどEU各国の足並みはそろっていない。

 ユーシェンコ大統領は今回の会議を「歴史的」で「これまでで最も生産的」と称賛し、EU加盟は近づいているとの見解を示した。

 サルコジ大統領は、EUはウクライナの領土保全を強く支持すると言明した。しかし同時にサルコジ大統領はロシアがウクライナへの脅威となる兆候は見られないと指摘した。

 ウクライナは、同国セバストポリ(Sevastopol)の基地に駐留するロシアの黒海艦隊に対し撤退準備をするよう呼び掛けている。現在の合意では、同艦隊は2017年に同基地を明け渡すことになっている。

 ユーシェンコ大統領は、グルジアとロシアの紛争が「黒海地域には適切な安全保障メカニズムがないことを示した」と述べ、EUに対し地域安定のための行動を求めた。(c)AFP/Christophe de Roquefeuil