【9月10日 AFP】カナダ・野党自由党のステファン・ディオン(Stephane Dion)党首は、10月14日の総選挙を前に大きな壁に打ち当たっているという。それは、カナダの公用語の1つである英語の壁だ。

 もう1つの公用語であるフランス語を母国語とするディオン氏は、党首となってから過去1年半にわたり英会話の下手さを指摘されてきた。大多数の国民が英語を母国語とするカナダでは、英語でつまずくことは問題になりかねない。

 カナダの日刊紙グローブ・アンド・メール(Globe and Mail)のインタビューでは、この件について「わたしは聴覚の問題を抱えているから、そのせいかもしれない。同時に複数の音声を聞き取ることが難しいんだ。だから英語を聞き取るのにも苦労しているのだろう」と説明している。

 一方、ディオン氏のライバルであるスティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相はフランス語初心者でありながら、完璧ではないフランス語会話でフランス語圏の住民を味方につけることに成功している。

 首相の座についてからの2年間、ハーパー首相は記者会見の初めはフランス語から話すように努力してきた。議会の過半数を得るためには、フランス語話者が多数を占めるケベック(Quebec)州の議席を勝ち取ることが不可欠だからだ。

 ディオン氏も決して努力を怠っているわけではない。英語を上達させようと周囲のスタッフに英語で話しかけ、英会話のコーチもついているが、それでも悪戦苦闘しているのだと言う。「イントネーションやアクセント、単語をどのように並べるかという文法が、どうも少しヘンでね…努力はしてるんだが」(c)AFP