【8月30日 AFP】米大統領選挙で共和党の大統領候補に指名されるジョン・マケイン(John MaCain)上院議員が副大統領候補に選んだのは、国政レベルでは無名だがテレビ映えのする、タフな保守派にしてメガネが似合う若い5児の母親だった。

 マケイン氏が72歳の誕生日を迎えた29日、オハイオ(Ohio)州デイトン(Dayton)での集会が始まる直前、複数のマケイン陣営関係者はAFPに対し、サラ・ペイリン(Sarah Palin)アラスカ(Alaska)州知事(44)を副大統領候補に選んだことを確認した。

 ジャーナリズムを学んだこともあるペイリン氏はアラスカ州の小都市ワシラ(Wasilla)市議を振り出しに政治家としてのキャリアをスタート。2006年12月にアラスカ州史上最年少にして初の女性として知事に就任した。運輸から教育、犯罪などの問題を争点に選挙戦を戦い、アラスカの共和党員の汚職に警鐘を鳴らす救世主として人気を集めた。マケイン氏のエネルギー政策の柱である北極圏国立野生生物保護区(Arctic National Wildlife Refuge)での石油開発に積極的に賛成するなど、マスコミの注目を集めてきた。

 国政の経験はないが、44歳という若さでマケイン氏の年齢に対する懸念を払しょくし、ワシントンの政治に毒されていない清新なイメージを有権者に与えられる可能性がある。

 ペイリン氏は全米ライフル協会(National Rifle AssociationNRA)の熱心な会員で、アラスカ州の天然ガスパイプライン建設も支持している。狩猟と魚釣りの熱心な愛好家で、ヘラジカ肉のハンバーガーが好物だという。

 マケイン上院議員が11月4日の本選で勝利すれば、ペイリン氏は米国史上初の女性副大統領になる。(c)AFP