【8月29日 AFP】タイ・バンコク(Bangkok)の首相府を反政府団体「民主市民連合(People's Alliance for DemocracyPAD)」が占拠している問題で29日、首相府の敷地内からいったん退去した警官隊が敷地内に戻り、その際に警官隊とデモ隊の間で小競り合いが起きた。

 サマック・スントラウェート(Samak Sundaravej)首相の辞任を求めるPADの座り込みは、4日目に突入している。PAD側は同日未明、警官隊約1000人を敷地内から退去させた。

 その後、機動隊が裁判所のデモ隊に対する強制退去命令を掲示するため、デモ隊を押しのけて敷地内に戻ろうとし、阻止しようとするデモ隊と警棒などで小競り合いになった。警察側は最終的に、敷地外の電柱に裁判所命令を掲示した。

 警察は先に、敷地内で斧のような刃物やゴルフクラブなどの「武器」を発見しているが、サマック首相は平和的解決の方針は変えていないと主張。警察の対応について「裁判所の命令を掲示しに行っただけで、デモ隊を排除するためではない」と記者団に説明した。

 現場の警官によると、首相府内には1万3000人ほどのデモ隊が座り込みを続けており、8000人規模の警官隊が首相府の周囲を包囲しているという。(c)AFP/Jutarat Tongpiam