【8月25日 AFP】米民主党の党大会が25日、開幕する。有力議員らが集まる同大会で民主党は、歴史的な大統領就任を目指すバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員(47)のもとでの党の結束をはかり、民主党指名候補争いでオバマ氏と激しく争ったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員も党の連帯を訴えて演説する。

 初の黒人大統領候補となるオバマ氏は24日、一風変わった生い立ちや、共和党からの「(オバマ氏は)エリートだ」との非難に対し、普通の中流米国人であることを有権者に訴えていくと述べた。

 オバマ氏は、「オバマはわれわれと変わらないじゃないか、と有権者はわかってくれるはずだ」と支持者らに語った。数日前、共和党のジョン・マケイン(John McCain)上院議員が、大富豪の妻と同氏が所有する家の数について返答しなかったことに対し、オバマ氏は厳しく非難していた。

 民主党大会(Democratic National Convention)で注目を集めるのはオバマ氏だけではない。民主党の結束という重圧の中、指名候補争いで苦々しい衝突を繰り広げたヒラリー・クリントン氏に対しても厳しい目線が向けられている。

 長引いた予備選で党内結束が傷ついたとの非難を共和党が向ける中、匿名を条件に取材に応じた民主党幹部は、クリントン氏は27日の投票で、クリントン派の代議員がオバマ氏へ投票することを認める見込みであると述べた。

 米紙USAトゥデー(USA Today)とギャラップ(Gallup)が25日に行った世論調査によると、有権者はオバマ氏とマケイン氏の両者に対して不安を抱いており、依然としてどちらの候補にも大統領当選のチャンスがある。

 調査対象者のうち半数は、オバマ氏が「急進的な政治思想の持ち主と親しすぎる」と感じ、また、57%が、有能な大統領になるにはオバマ氏はまだ経験不足だと考えている。

 一方で、調査対象者の10人に4人が、29日で72歳になるマケイン氏の年齢に不安を感じている。また、67%が、マケイン氏の政策がジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領の政策と変わらないことを懸念している。

 党大会前夜の24日には、悪性の脳腫瘍(しゅよう)が見つかったエドワード・ ケネディ(Edward Kennedy)上院議員が党大会に登場するとの噂が流れ、リベラルの象徴であった同氏の引退の場になるかもしれないなどとも話されていた。

 25日の注目の1つは、オバマ氏の妻ミシェルさんによる演説。ミシェルさんは、保守層による非難の的にされてきたが、夫であるオバマ氏の父親としての側面や家庭的な人物像を語るとみられている。

 マケイン氏は、世論調査でのオバマ氏のリードを切り崩し、統計上は互角に持ち込んだ。両者の戦いは、今週の民主党大会、来週に米ミネソタ(Minnesota)州セントポール(St Paul)で開催される共和党の党大会を経て、11月の本選まで続く。(c)AFP