【8月18日 AFP】(記事更新、写真追加)パキスタンのペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領は18日、国民に向けたテレビ演説で辞任を表明した。退陣を迫る反大統領派による弾劾を避けることが目的とみられる。

 軍最高指令官である陸軍参謀長として、1999年に無血クーデターで政権を掌握したムシャラフ大統領は前年、さらに5年間の政権維持を狙い国家非常事態を宣言、再選を強行した。しかし今年2月の総選挙では野党が圧勝。ここへ来て連立政権はパキスタンの61年の歴史で初の弾劾手続きの開始をちらつかせ、ムシャラフ大統領の退陣を迫っていた。

 ムシャラフ大統領は、パキスタン国旗と建国の父の肖像を背景に演説し「現在の情勢を検討し、法務顧問や政治的同志たちの助言を求めた結果、辞任を決意した」と厳しい表情で述べた。また「わたしの未来は民衆の手に委ねる」とも述べた。

 これに先立ち大統領は、自らに対するいかなる弾劾手続きも無効だと述べ、長期戦も辞さないとしていただけに、前言をひるがえしての辞任表明は波紋を呼んでいる。(c)AFP