【8月12日 AFP】カナダのギャリー・ルン(Gary Lunn)天然資源相は11日、米国と合同で北極海の大陸棚に関する科学データ収集調査を行うと発表した。カナダ沿岸警備隊の砕氷船「ルイサンローラン(Louis S. St.-Laurent)」号と米沿岸警備隊の砕氷船「ヒーリー(Healy)」号が カナダ北部およびアラスカ(Alaska)沖のボーフォート海(Beaufort Sea)で合流し、9月8日ごろから3週間、合同調査を行うという。過熱する北極圏の資源争奪戦でリードしたい考えだ。

 ルン資源相は、重要データ収集において米国と協力することで、科学的調査のための装備や資金を最大活用できる利点があると説明した。

 国連海洋法条約(United Nations Convention on the Law of the SeaUNCLOS)は、各国に沿岸から200カイリ(約370キロ)までの天然資源開発を認めているが、これを超える範囲でも自国領の大陸棚と一体であることが証明できれば資源開発ができると定めている。カナダは2013年末までに大陸棚範囲についてのデータを国連(UN)に提出することになっており、今回の合同調査の結果も利用する方針だ。

 主張が認められれば、同海域でカナダが資源開発できる海域の面積は、フランス国土の約3倍に相当する175万平方キロメートルも拡大する。

 ルン資源相は前週にも、ロシアが領有権を主張する北極海の海底山脈、ロモノソフ海嶺(Lomonosov Ridge)は、北米およびグリーンランドプレートと地続きであるとしたデンマークとの合同調査結果を発表している。(c)AFP