【7月27日 AFP】(一部更新)カンボジアで27日に行われた総選挙で、フン・セン(Hun Sen)首相率いる政権与党が勝利宣言を出した。タイとの軍事対立がフン・セン政権に暗雲を投げかけたものの、23年間続いた長期政権の継続は確実になった。

 与党カンボジア人民党(Cambodian People's PartyCPP)の広報を担当するキュー・カナリット(Khieu Kanharith)情報相は「我々は勝利した」と述べたが、開票作業が完了していないため、獲得議席数は分からないと述べた。公式な選挙結果は8月に入ってから出されるとみられる。

 これに先立ち、同情報相は定数123議席のうち、人民党が80議席を獲得する見通しだと述べ、27日中に人民党が勝利宣言を発表する可能性が高いと述べていた。

 総選挙は、国内外の選挙監視員約1万7000人が投票所1万5000か所を監視する中行われた。800万人以上が有権者登録をした。

 野党サム・レンシー(Sam Rainsy)党を率いるサム・レンシー党首は27日、プノンペン(Phnom Penh)の有権者20万人の名前が有権者登録リストから削除され投票できなかったと主張し、プノンペンで再投票を行うよう求めた。しかし、選挙管理委員会は、レンシー氏の主張を「大げさだ」と退け、投票はおおむね順調に進んだと述べた。

 米国に拠点を置く国際人権団体「 ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)」 は、与党が放送メディアをほぼ独占しているため、特に地方で、野党側は世論に訴えることができなかったと非難した。

 カナリット情報相によると、26日にサム・レンシー氏の書籍の一部を朗読したラジオ局が、投票日前日の選挙活動を禁止した規則に違反したとして同日夜に閉鎖された。

 フン・セン首相は、権力維持のために人権を抑圧してきたという過去がある一方、世界最貧国からはい上がろうと苦闘するカンボジアで、高い経済成長を背景に支持を広げてきた。(c)AFP/Suy Se