【7月22日 AFP】インド下院は21日、マンモハン・シン(Manmohan Singh)首相が提出した内閣信任案の審議を開始した。投票は22日に行われるが、報道によると情勢は余談を許さない状態で、連立政権とともに米印原子力協力協定の発効も不安定な状況に置かれている。

 内閣信任案の提出は、成長著しいインド経済のエネルギー需要を満たすためには米印原子力協力協定は必要不可欠とするシン政権の姿勢に、左翼政党が反発し閣外協力を解消したことを受けてのもの。内閣信任案が否決された場合、シン内閣は崩壊し総選挙が行われる。

 左翼政党は原子力協力協定について、伝統的に非同盟を維持してきたインドと米国との結びつきが強くなりすぎるとし、インドの核開発計画にも影響がでる可能性があると指摘している。

 内閣信任案の賛否は非常に拮抗(きっこう)しているとみられており、政府は収監中の下院議員6人に対し投票のために保釈を認める措置を取ったという。一方の野党側も、心臓のバイパス手術を受けた議員を含む、病気療養中の下院議員を召集するため、チャーター機を手配したという。(c)AFP/Pratap Chakravarty