【7月21日 AFP】王政から連邦共和制に移行したネパールに新設された初の大統領選出で、制憲議会は21日決選投票を行い、第2党ネパール会議派(Nepali CongressNCP)が推したラム・バラン・ヤダブ(Ram Baran Yadav)氏を選出した。国営テレビが報じた。

 制憲議会での投票でヤダブ氏は、590票のうち308票を獲得し、勝利した。第1党のネパール共産党毛沢東主義派が推したラム・ラジャ・プラサド・シン(Ramraja Prasad Singh)氏の得票は、282票と及ばなかった。

 新設された大統領職は主として実権のない儀礼的存在だが、毛派によるネパール初の共和制確立の速度に影響は出るものとみられる。

 ネパールでは5月に240年間続いた王政を廃止し、ギャネンドラ元国王(King Gyanendra)は6月、王宮を追放された。今回選出された大統領職は、ギリジャ・プラサド・ コイララ(Girija Prasad Koirala)首相率いる暫定内閣の退陣を受諾する立場にある。

 しかし議会での投票前、毛派は自分たちが推す候補が大統領に選出されなかった場合、組閣の拒否をほのめかしていたため、ネパールの政局は再び新たな混迷に陥る可能性もある。(c)AFP