【7月14日 AFP】地中海周辺諸国と欧州連合(EU)加盟国の43か国は13日、パリ(Paris)で初めての首脳会議を開き、地中海連合(Union for the Mediterranean)を正式に発足させた。地中海連合には、アラブ諸国やイスラエルも参加しており、中東和平へ向けた弾みとなることが期待されている。

 首脳会議には、国際舞台に姿を現わすことが少なかったシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領も出席し、アラブ諸国の首脳とともにイスラエルのエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相と同じテーブルに着いた。

 ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領は、アラブ諸国はこの首脳会議に出席することで「和平への意志」を示したと語るとともに、「偉大なる一歩が踏み出された」と強調した。

 首脳会議の締めくくりに、首脳らは会場となったグランパレ(Grand-Palais)で地中海連合の創設宣言を発表した。地中海連合には、グリーンランドの海岸からヨルダンの砂漠まで43か国、7億5600万人が住む地域が含まれることになる。

 首脳らは、地中海での汚染問題への取り組みや航路拡大、太陽エネルギーの開発などでは意見が一致したが、中東和平問題に関しては全体としての方向性を示すことはできなかった。(c)AFP/Carole Landry