【7月11日 AFP】タイのノパドン・パタマ(Noppadon Pattama)外相は10日、カンボジアのヒンズー教寺院の世界遺産登録をめぐる混乱の責任を取って辞任する意向を示した。就任5か月目のサマック・スントラウェート(Samak Sundaravej)内閣は、与党幹部など辞任が相次いでいる上に、主要閣僚である外相の辞任でさらに大きな打撃を受けることになる。

 最大与党「国民の力(People Power PartyPPP)」は過去2日間のうに、ノパドン外相を含め3人の幹部が辞任を余儀なくされている。

 タイ最高裁は8日、同党副党首のヨンユット・ティヤパイラット(Yongyut Tiyapairat)前下院議長に対し、選挙での買収行為で有罪の判決を下し、議員資格のはく奪と5年間の政治活動の禁止を命じた。

 翌9日には、チャイヤ・サソムサップ(Chiya Sasomsub)保健相が、夫人の資産を不正に隠していたとして有罪となり、辞任を余儀なくされている。

 ノパドン外相については、憲法裁判所が8日、タイとの国境問題を抱える地域にあるカンボジアのヒンズー教寺院「プレアビヒア寺院(Preah Vihear Temple)」の世界遺産登録に、同外相が議会の承認を得ずに同意したことを違憲だと判断した。ノパドン外相は内閣と軍上層部の承認を得て同意したものだとしている。

 この判決を受けて、サマック内閣の総辞職を求める声が高まっており、野党・民主党(Democrat Party)は弾劾手続きを行うことも示唆している。(c)AFP/Thanaporn Promyamyai