【7月8日 AFP】イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領の寄稿文が8日、読売新聞(Yomiuri Shimbun)に掲載された。その中で大統領は、主要国(G8)を批判するとともに、ウラン濃縮の継続を改めて強調した。

 アフマディネジャド大統領は、7日から始まった北海道洞爺湖サミット(G8 Hokkaido Toyako Summit)に合わせて寄稿文を送り、その中で「彼ら(主要8か国)は、現在の支配秩序を維持し、他者の利益や尊厳に注意を払わずに自分たちの問題を取り除けると想像しているかもしれない。だが、こうした態度が失敗の繰り返しであり、絶壁に向かう道で加速しているようなものである」と批判。

 また、第2次世界大戦後から続いた米国の一国超大国主義の終焉(しゅうえん)が近づいているのは、どの国にとっても明らかだと主張し、「人類(の将来)を憂慮するならば、この変化を受け入れ、身を正さねばならない」と主張した。

 イランの核問題の打開を目指して国連安全保障理事会(UN Security Council)理事国(米英仏露中)とドイツの6か国がイランに提示した、ウラン濃縮を停止した場合の最新の見返り案については、拒否する姿勢を示し、「我々は違法な要求は受け入れない」としている。イランの核開発は、中東地域での紛争勃発(ぼっぱつ)の懸念を募らせており、原油価格高騰の一因にもなっている。

 新しい見返り案では、イランがウラン濃縮を停止した場合、技術協力や経済支援を行うとしている。欧米諸国は、イランが濃縮ウランを核兵器に使用する恐れがあるとして懸念している。

 関係筋によると、8日に発表される洞爺湖サミットの首脳宣言には、イランに対しウラン濃縮の停止を強く求める内容も盛り込まれるとみられている。

 前月行われた主要8か国(G8)外相会合の議長声明では、国連の国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)に全面協力し、中東地域においてより責任ある建設的な行動を強く要請するとの内容が盛り込まれた。(c)AFP