【6月30日 AFP】韓国警察当局は30日、米国産牛肉の輸入再開に対する抗議デモが激化していることを受けて取り締まりを強化、デモ主催団体の1つの事務所を家宅捜索し、パソコンや拡声器などを押収、1人を逮捕した。また、ソウル(Seoul)市庁舎前で29日夜から徹夜で開かれる予定だった抗議集会を禁止し、参加者130人について「道路を封鎖した」などの理由で身柄を拘束した。

 警察はほかに8人のデモ主催者らを、暴力的なデモを組織したとして手配している。

 28-29日に開かれたキャンドル集会では、機動隊とデモ隊が衝突し200人以上が負傷する事態となった。

 デモ隊が道路を封鎖する機動隊バスを転覆しようと押し寄せ、これに機動隊が放水や警棒などで取り締まりを試みたが、デモ隊側はさらに棒や鉄パイプなどで応酬。機動隊車両の窓ガラスを割り、消火栓で放水するなどして対抗した。なかには投石で頭部を負傷し救急車で搬送されるデモ参加者もいたという。

 このデモで、警察は55人の身柄を拘束、機動隊員114人が負傷し15人が重傷だと発表した。一方、抗議集会の主催者によるとデモ参加者側も100人が負傷したという。

 29-30日のデモには約1700人が集まった。しかし、前日の混乱をうけた警察側がデモ会場のソウル市庁舎前広場を封鎖したため、目立った衝突はなかったという。(c)AFP