【6月17日 AFP】米大統領選で民主党候補指名を確実にしたバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は16日、本選で対決する共和党のジョン・マケイン(John McCain)上院議員について、女性が関心をもつ主要な問題のほとんどすべてについて有権者と「逆の立場だ」と発言した。

 オバマ氏は同日の米ABCニュースのインタビューに対し、民主党ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員の候補者争い敗退に不満を抱く女性有権者の票をかき集めようと、マケイン氏が政治的カリスマ性を強調して「求愛」しているのは誤りであるばかりか、メディアにも無視されていると手厳しく批判した。

「女性にとって重要な問題のほとんどすべてにおいて、ジョン・マケインの主張の展開は困難を生じるだろう。(女性の立場とは)彼はまったく逆の主張をしている」と言い切り、例えば妊娠中絶を合法化した連邦最高裁のロー対ウェイド判決(1973年)について、マケイン氏は「判決を覆していたであろう判事に賛成している」と指摘した。

 さらにオバマ氏はマケイン氏について「彼は男女平等賃金に反対し、児童医療保健プログラムに反対してきた。職場で経験する差別から女性を守る取り組みにも反対してきた。過去の実績を見れば、女性に強くアピールできるとは思えない」とたたみかけた。

 マケイン氏はこのところ選挙戦から撤退したクリントン氏の支持者の取り込みを図り、同氏の「不屈の戦い」を称賛しつつ、党派を越えて積極的に民主党党員や無所属の有権者などとも各地市町村で対話集会を行っている。

 特にオバマ氏との激戦が予測される州では、元ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)CEOのカーリー・フィオリーナ(Carly Fiorina)氏がマケイン氏を支持する著名な女性として前面に立たせ、女性票獲得に努めている。

 しかし前週、米NBCテレビとウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)紙が共同で行った調査によると、両氏に対する女性の支持率はオバマ氏52%対マケイン氏33%で、クリントン氏を支持していた女性有権者に限るとさらにオバマ氏支持61%対マケイン氏19%という開きが出た。

 マケイン陣営は16日、1990年に性犯罪被害者は「横たわって楽しめばよい」と発言したテキサス州(Texas)の石油実業家クレイトン・ウィリアムズ(Clayton Williams)氏との関係を追及され、対応に追われた。マケイン氏は13日、ウィリアムズ氏主催の資金集め集会への出席をキャンセルしたが、女性有権者の支持に影響があるかどうかについては談話を発表していない。(c)AFP