【6月16日 AFP】(写真追加)尖閣諸島(Senkaku Islands)魚釣島沖で日本の巡視船と衝突した台湾の遊漁船が沈没した事故に抗議するため、台湾の抗議船1隻と9隻の巡視船が16日、日本領海に侵入したが、日本政府は同日、関係者に冷静な対応を求めた。

 町村信孝(Nobutaka Machimura)官房長官は同日、台湾の船舶の領海侵犯について「誠に遺憾だ」と述べた上で、「今回の事態で地域の平和が乱されることがあってはならず、関係者が冷静に対応することが必要だ」と語った。

 また、町村長官は、抗議船の侵入を事前に把握し、台湾当局に「外交ルートを通じて再三警告をしたり、申し入れを行ったにもかかわらず領海侵犯が発生した」ことにも強い遺憾の意を示した。報道によると、抗議船に同伴して外国の巡視船が日本の領海に侵入したのは、今回が初めて。

 海上保安庁によると、抗議船は16日午前6時前、尖閣諸島付近の日本領海に侵入した。周辺海域に約2時間半とどまり、島の周りを回るなどの示威行動を行ったという。

 東シナ海を管轄する第11管区海上保安本部の那須秀雄(Hideo Nasu)本部長は15日、10日の事故について謝罪した。

 事故発生を受け、台湾外交部は「大使」にあたる駐日代表の召還を発表するとともに、日本政府に対して謝罪と賠償を求めた。また、台湾の海上保安庁にあたる海岸巡防署は、日本の巡視船「こしき」の船長を書類送検したことを明らかにした。(c)AFP