【6月16日 AFP】2月にセルビアからの独立を宣言したコソボで15日、憲法が発効した。9年にわたる国連(UN)の統治から、国民の大部分を占めるアルバニア人への権限移譲に向けた第一歩となる。

 EUのPeter Feithコソボ特別代表立ち会いの下、ファトゥミル・セイディウ(Fatmir Sejdiu)大統領が署名し、初めて憲法が発効した。

 一方、独立を認めず、依然としてコソボを自国の一部とみなしているセルビア政府は、憲法は違法であり危険だとの見解を示した。

 国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は今週、セイディウ大統領とセルビアのボリス・タディッチ(Boris Tadic)大統領に対し国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)の権限を地元当局およびEUに移譲する見直し計画を明らかにした。

 4月9日に議会で満場一致で採択された憲法は、EUの警察官と司法関係者約2000人による文民支援隊(EULEX)導入への道筋を開いた。

 憲法発効に伴いコソボでは今週、国歌制定と治安部隊の創設を定めた法案を可決した。コソボ領内に1万5000人駐留している北太平洋条約機構(NATO)が治安部隊の訓練を担う。

 条例によると治安部隊は2500人、専門職で多民族、文民統制、重火器類は装備しない。

 だが、独立以来暴動が頻発し民族対立の激しい北部ミトロビツァ(Mitrovica)など、セルビア系住民が住む地域で憲法がどのように施行されるかは不透明。(c)AFP/Ismet Hajdari