【6月13日 AFP】米軍の空中給油機発注契約をめぐる米政府監査院(Government Accountability OfficeGAO)裁定を数日後に控え、競合した米防衛機器ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)と米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)が、評価時の米空軍による計算ミスをめぐり火花を散らしている。

 2月29日に発注先が選定された空中給油機の調達は、国防契約としては近年でも特に大型のものだった。傘下に航空機大手エアバス(Airbus)を持つ欧州航空防衛大手EADSEuropean Aeronautic Defense and Space)とノースロップ・グラマンの企業連合の双発給油機KC-45とボーイングのKC-767が争い、ノースロップ・グラマン側に350億ドル(約3兆8000億円)で発注されることになった。

 しかし、その後ノースロップ・グラマンは、米空軍が入札の評価過程で計算間違いをしたことを認めたことを明らかにした。

 ボーイングは抗議したが、ノースロップ・グラマンは膨大な契約文書を調査した結果、ミスは選定結果に影響するものではないとしている。しかし、ボーイングは米空軍の調査の結果、いくつかの計算ミスを訂正するとボーイングの価格はノースロップ・グラマンを下回っていたことが判明していると主張している。

 AFPの取材に対し、ボーイング広報のビル・バークスデール(Bill Barksdale)氏は「長い耐用年数を通して、われわれの空中給油機は(ノースロップ・グラマンのものより)優れていると、この3か月間ずっと訴えてきた」と語った。

 ボーイングは3月11日、米政府監査院(Government Accountability OfficeGAO)に同契約の発注先選定の見直しを求め異議を申し立てた。GAOは19日までに判断を下す予定だ。(c)AFP