【6月13日 AFP】米下院議員2人が11日、中国のハッカーからコンピューターネットワークに不正侵入されたとして、機密情報を扱うネットワークのセキュリティー強化のため何らかの議会決議を採択する必要があると述べた。

 バージニア(Virginia)州選出のフランク・ウルフ(Frank Wolf)下院議員は、2006年8月に議員事務所のコンピューター4台が外部からの侵入を受け、世界の反体制グループや人権活動家に関する情報が盗難に遭ったと報告。下院外交委員会の事務所などでも同様の被害が発生していると指摘した。

 ウルフ議員は、下院の内部調査や米連邦捜査局(Federal Bureau of InvestigationFBI)の捜査で、不正侵入は「中国から行われた」との結論が出たとして、「中国の人権侵害について長年批判してきたので狙われたのだろう」と話した。

 一方、ニュージャージー(New Jersey)州選出のクリス・スミス(Chris Smith)下院議員は、06年12月と07年3月に下院人権小委員会のコンピューターがウイルス攻撃に遭い、調査によれば「コンピューターを外部からコントロールするため」のウイルスだったと報告した。スミス議員はハッカーが中国に関連したファイルにアクセスしていたことから、「背後に中国政府がいるという確証にはならないが、その可能性が高いとの深刻な懸念を抱いている」と述べた。

 これに対し中国側は関与を否定。秦剛(Qin Gang)外務省報道官は、「被害妄想を持つのはやめて両国間の関係をより良くすることにもっと取り組んで欲しい。中国はまだ発展途上の国。そんな技術があるわけがない」と述べた。(c)AFP