【5月28日 AFP】福田康夫(Yasuo Fukuda)首相は28日、横浜市で52か国を集め開幕した第4回アフリカ開発会議「TICAD IV(Tokyo International Conference on African Development)」で演説し、食料価格高騰の緩和を目指し、アフリカでのコメ生産高を今後10年間で倍増させるための支援を行うと語った。

 福田首相は「『緑の革命』を目指すアフリカで、現状1400万トンのコメの生産高を、10年間で倍増させていくことを呼びかけたい」とした上で、日本は「農業経験も豊富で、かんがいの整備、作物の品種改良、それから農業指導員の育成等の分野で、いろいろな国や機関と力を合わせて協力していく用意」があると述べた。

 日本はこの会議に先立ち、高騰する食料価格対策として、途上国に対する1億ドル(約104億円)の緊急支援を表明している。福田首相は、食料価格高騰によるアフリカ諸国での苦しい現状に憂慮を示し、緊急支援の相当部分をアフリカに向けていくことを約束した。

 世界銀行(World Bank)によると、世界的にみて食料価格はこの3年間で約2倍になっており、貿易制限や不十分な穀物の生産条件、エネルギーや肥料価格の高騰、トウモロコシなどを原料にしたバイオ燃料の生産増加などが背景にあるといわれる。

 日本はすでに、フィリピンへのコメ輸出に合意している。このコメは貿易協定によって主に米国から輸入され備蓄されていたものがあてられるという。(c)AFP